猛暑日が続いた今年の夏。9月に入って朝夕はだいぶしのぎやすくなっては来たが、依然日中は30度を越す暑さが連続するのも驚かなくなってきている。 その理由は「地球温暖化によるものだから仕方がない」と誰もが思っているからだ。 「地球温暖化」→「エコのためにクーラーを節電しなければ」→「でも夏ばてや熱中症が怖い」→「やっぱりクーラーの温度の設定は28度では暑い」という、 心苦しい悪循環を繰り返してしまう人もいることだろう。
今年7月16日に新潟県中越沖地震が発生。震度6。県内にある柏崎刈羽原子力発電所3号機の変圧器に火災が発生した。1986年に起こったチェルノブイリ原子力発電所爆発を 思い起こすような恐ろしい光景だった。この火災に伴い、国内の電力供給が万全ではなくなり、非常時に節電を約束していた企業などが工場停止などの実施を行ったことはまだ記憶に新しい。
悲しいことに、人間は、大切なものを失ってからではないとそのありがたさを痛感することができない、鈍い動物なのかもしれない。「資源には限りがある」のフレーズは誰もが知っている。 しかし、残念ながら人間は産業革命以来、自然の資源を使い始め、枯渇寸前のものもある。そこで注目したいのが海洋深層水である。
海洋深層水は、200メートルより深いところに存在する地球に存在する海水の約95%を占めていると言われている水である。火力発電所の複水器冷却水に万年低温 (2℃前後)の海洋深層水により、発電効率が高まり、結果二酸化炭素削減が可能になる。この低温という特性に加え、植物プランクトンがほとんど存在しないという清浄性を利用して、 低温貯蔵、空調システム、冷凍システムなどが実現可能であり、実用化されている所もある。
また、使用後の海洋深層水を海に戻した所、周辺の磯焼けの海辺に海藻が生い茂り、魚介類なども復活したという驚くべき調査結果も実証されている。「大いなる母、海」。 その環境保全のための莫大な秘密が眠っているように思える。海洋深層水による自然環境の改善に期待したいものだ。
海洋深層水は、その豊富なミネラル含有量で飲料や食品加工、化粧品や入浴剤などの商品開発されている。このように、様々な分野での利用方法が研究されているが、一方で、対 人間ではなく、対機械にも使用されている。つまり、クーラーとしての利用価値があるのだ。海洋深層水の特性として、安定した低温を保つことができる。
海水の表層部分は季節によって温度が変動してしまうので、利用価値がない。そもそも、海洋深層水を発見した人は(その人物は不明)、海洋深層水が表層の海水に比べて著しく 温度が低いことを発見した。それが1751年といわれている。その後、1881年にフランスの物理学者ダルソンバールがこの低温と表層の温水との温度差を利用した発電を提案したことが、 海洋深層水利用の始まりである。つまり海洋深層水の最初の利用法が「低温」そのままだったのである。
しかも、今から約300年も前から発見されていたのは驚きの事実だ。冷水を使った冷房機は、冷凍機などを使って水の温度を5〜7℃まで下げ、冷水を循環させる。 しかし、冷凍機を作動させることにより大きなエネルギーを要する。海洋深層水は、一年を通して水温が大体1〜2℃と低温であり、冷凍機の代わりに利用できるのだ。 温暖化対策として、省エネが叫ばれている昨今、電気を使用するクーラーではなく、霧で空気を冷やすという画期的な方法が、試験的に駅のホームで行われた。
濡れない程度の霧をホームへつながる階段から吹きつけ、冷気の重たさで階段を下ってそのままホームに冷気が届く、というシステムだ。これにより、電気代を大幅にカットできるという。 これに海洋深層水が使用されているかは定かではないが、こうした省エネの開発・発見のニュースが流されるたび、自然の恵みを再確認させられる。
![]()
試した方はご存知であろうが、格別のどが渇いていない日常の中で、ミネラルウオーターのペットボトル1本を飲み干すのは結構苦労するものだ。
しかもデトックス効果が期待される硬質のミネラルウオーターは日本の水よりも癖があるのが特徴であるため、結局挫折された方もいるだろう。